道で見つけた幼女には油断するべからず

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しばらく一緒に紅茶を飲んでいると、ラグナが手を叩いて口を開いた。     「そうだ。ちょっと着いて来てくれますか?」     「は、はい」   笑いながらそう言い、歩きだしたラグナの後にアレンは着いて行く。       城の中に入り地下へと続く階段を降りて行くラグナ。     厳重に封鎖されている扉の前に辿り着き、ラグナはゆっくりと扉を開いた。     「中へどうぞ」     「………………」   若干戸惑いながらも中に入ると、目の前に飾ってある剣を見てアレンは言葉を失った。       黒く美しい光を放つ巨大な剣、少し離れていてもただの剣じゃない事が伝わってくる。     「ラグナ……これは?」     「魔剣グラディウス。リリス陛下のみが扱える剣です……少し持ってみてはどうです?」   ニコリと笑いラグナがそう提案したのを聞いて、アレンは恐る恐る剣に触れた。       剣を持ち上げて、アレンはジッと剣を見つめた。     「凄い…………」     「…………やはりそうか」   マジマジと剣を見つめているアレンにラグナは言った。       「え?何がやはりなんですか?」     「それはリリス陛下のみが扱える武器。普通じゃ触れる事すら出来ない代物なんですよ」   ほほ笑みながらラグナが剣に触れると、黒い雷がラグナの手を弾いた。
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