道で見つけた幼女には油断するべからず

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「…………え?じゃあ何で僕は触れてるの?」   アレンの言葉を聞いて、ラグナは真剣な表情でゆっくりと口を開く。       「……………無。火や水などの様々系統の中でも異質な力……無の系統をアレンは持っているんですよ」     「………え?無の系統?何なのそれ?」   ラグナが言っている事が良く分からない。 確かに昔から自分は魔法が全く使えなかった。     それは、ただ自分に才能が無かっただけと思っていたのだ。     「人間と魔族、両者共に使えるのが魔法。 その魔法を無力化してしまう能力が貴方にはある」     「な、何でそんな事が分かるの?」   アレンがそう聞くと、ラグナは天井を見つめて話し始めた。       「リリス様は生まれながらにして魔力が高すぎてよく暴走するのです。 だから普段から魔力を使う事はまず無いんですよ」   意外そうな顔をして話しを聞いているアレンを見て、ニコリと笑いラグナは話しを進める。       「魔力を使えば身体の中で暴走して、想像を絶する苦しみに襲われる……」     「え?じゃあ何で今日はそんな症状が……」   アレンはそう呟くとハッとした表情で顔をあげた。       「そう……貴方がリリス様に触れたからだ。 貴方がリリス様の中の暴走する魔力を消したんですよ」   ほほ笑みながら、ラグナはアレンに告げた。
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