道で見つけた幼女には油断するべからず

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「僕が…………」   驚きの表情でアレンはゆっくりと魔剣を置いた。       「しばらくは城内でゆっくりされて下さい。リリス様の側にいるのが嫌ならば、出て行ってもらっても構いません」   地下から出て来て廊下でラグナはアレンにそう言い、歩いて行ってしまった。       一人取り残されたアレンは、城内をゆっくりと歩き出す。     「………………」   自分は魔王を倒して世界を平和にする為に旅に出た。     しかし現実はリリス達は自己防衛しているだけで、攻撃しているのは人間の方だ。     でも、全ての魔族がそういう訳ではない。 人間を襲っている魔族もいるのだ。     そんな事を考えていると何処からか鼻歌が聞こえてき、アレンは覗いて見る。     「ふんふ~ん♪」     「あ、シフォンさんだっけ?」   顔を覗かせて話し掛けたアレンを見て、シフォンの顔が凍り付く。       「…………あわわっ………きゃああああ!」     「えっ!?」   凄い勢いで叫びながら走り出し、柱の陰に隠れてビクビクしながらシフォンはアレンを見ている。       「ご、ごめん……驚かせたかな?」     「…………こ、こちらこそすみません」   アレンが申し訳なさそうに謝ると、シフォンも頭を下げた。
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