道で見つけた幼女には油断するべからず

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「すみません……私、人間の方が苦手なんです……」   うるうるとした瞳でアレンを見てシフォンは言った。       「別に気にしないで……人間が苦手って昔酷い事でもされたの?」   アレンがそう聞くと、シフォンは柱の陰から頷いた。       「私……昔は人間に捕まってて、首輪に繋がれて毎日毎日暴力受けてたんです……でもある日ラグナ様に助けてもらったんです」   ラグナの名前を出した時は、シフォンは嬉しそうな笑顔になった。       一瞬その笑顔にドキリとして、顔をそらしてアレン聞いてみる。     「ラグナって随分皆から信頼されてるんだね?」     「はい!ここにいる魔族の人達は大体ラグナ様に拾ってもらった人ばかりですよ」   何となく納得するアレン。 あの性格を考えると確かにありそうだった。       「ありがとうシフォン。怖いのに話し相手になってくれて」   アレンが笑いながらそう言い、その場を去ろうと歩き出した時声が聞こえてくる。     「これからもよ、よろしくお願いします。アレンさん」     「……………よろしく。シフォン」   モジモジしながらシフォンがそう言ったのを聞いて、アレンは嬉しくなりほほ笑みながらその場を去った。
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