魔王様の誕生日

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正直アレンはまだ迷っていた。このまま自分はここにいるべきなのか。     逃げるならば、恐らく今しかないだろう。 しかしアレンはリリスのいる部屋に向かっていた。     「アレンっ!」     「うわっ!?」   扉を開くと同時にリリスが胸元に飛び付いてき、アレンは倒れ込んだ。       「ど、どうしたの?リリス」     「遅いから……何処かに行っちゃったかと思ったの……」   胸に顔を埋めたリリスが涙声で応えた。       とてもじゃないが、人間達から恐れられている魔王とは思えなかった。     確かに凄い力を持っているのかもしれないが、こんなにも幼くて甘えん坊な女の子じゃないか。     そう考えるとアレンはリリスを抱き締めて、頭を撫でる。     「大丈夫だよ。俺は何処にも行かないから」     「絶対だよ?アレンはずっとリリスの側にいないといけないんだからね?」   リリスの言葉にアレンはゆっくり頷き笑った。       それを見たリリスはニコリと笑顔になり立ち上がった。     「やった!じゃあアレン!今から一緒にお風呂に入りに行こう!」     「へっ?ふっ……風呂!?駄目駄目!流石に!うわっ!?」   リリスに手を引かれて風呂場に向かうアレン。     流石に幼女体型といえどヤバいと思ったアレンだった。
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