道で見つけた幼女には油断するべからず

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荒れ果てた荒野。辺りを見回すと倒れて動かない人が数人いる。     「水と食料持ってないかな………」   腰に刀下げた青年が死体の懐を探りながら呟いた。       身長172cm程、硬い髪質で黒く短いツンツン頭。 パッチリした黒い瞳に優しい顔つき。     彼の名はアレン=ハイネス。 魔王を倒してこの世の中を救おうと田舎から出てきた16歳の男だ。     今世界には、北の覇王『リリス』   西の帝王『アリス』   東の冥王『ククル』   南の龍王『セイラ』     この四人の魔王が君臨している。     この四人の魔王を倒そうと勇者達は戦い、この世の中に平和をもたらそうとしている。     アレンは数多い勇者候補の一人で、村の人達の反対を無視して勇者になり村から飛び出してきたのだ。     しかし飛び出してきたのはいいが、すぐに金は底をつき死体から水分と食料をあさっている。     「クソッ………腹減った………」   餓死寸前でもうゲームオーバーですか?とか考えた時だった。     良くは見えないが前を見ると、馬に乗ったガラの悪い集団が一人の女の子を取り囲んでいるのが見えた。     「あんな小さな子供を襲ってやがるのか……クソッ!」   幼女を襲う外道は許さんと、アレンの正義の心が燃え上がる。     刀を抜きアレンは集団に向かって走り出した。
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