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「ハァ……帰った帰った……」
「流石に今回はどうなるかと思ったわね……」
シルヴィアが転がっていた椅子に座り、ため息をついたと同時にエルウィンもその場に座り込み天を仰いだ。
その雰囲気につられてアレンも安心して座り込んだと同時に銃声が鳴り響く。
アレンが慌ててラグナの方を振り返ると、ラグナはライフルで遠くを見ている。
「クソ……一人逃がしたか」
厳しい表情でラグナはそれだけ口にして、ライフルで狙った方向に走り去って行く。
「ねえ……ラグナはどうしたの?」
アレンが皆に聞くが両手を挙げて分からないといったポーズをとるだけであった。
しばらく待つとラグナが一人の中年の男性を担いで帰ってきた。
「あ~……クソッ!煮るなり焼くなり好きにしろ!」
「この人は?ラグナ」
カメラを持った身長165cm程の小柄な中年のおじさん。
悪い人には見えなかったので、アレンはラグナに訪ねる。
「フリーのカメラマンだよ。もう一人には逃げられた」
ため息をついて頭を抱えるラグナ。
何故こんなにも落ち込んでいるのだろうと疑問に思い、アレンは再度質問する。
「ねえ、カメラマンくらいいいんじゃない?」
「よくありませんよ……アレン?明日から貴方は大変な事になりますよ」
顔をあげてラグナが難しい表情でそう言ったのを聞いて、アレンは首を傾げた。
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