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この女の子だけでも逃がさなければ……アレンは女の子をギュッと抱きしめたまま、そう考えていた。
「てめえそのガキの何なんだよ?」
ガラの悪い男達の一人がアレンを見て話し掛ける。
それを聞いてアレンは咄嗟に口を開く。
「この女の子は俺の婚約者だ!手を出すな!さっさと失せろ!」
「………………」
その言葉を聞いて男達は爆笑を始めて、女の子はジッとアレンを見つめる。
「ぶはははは!そんなガキが婚約者か!お前は結婚するつもりかよ!」
一気にアレンの顔が赤くなる。
確かにこんな小さな女の子が婚約者なんて言ったらただの変態だ。
すると、アレンが抱き締めていた女の子がスッと口を開いた。
「誰が……誰がガキですって?」
ゾクリとした。アレンは咄嗟に女の子を離して若干後ろに下がった。
良くは見ていなかったがかなり可愛い、身長155cm程の小柄で金髪の綺麗な長い髪に目も金色。
ドレスみたいな豪華な服を着ており、男達が金目当てに襲う理由が分かった。
しかし、そんな女の子は今怒りの表情で男達を睨みつけている。
男達も危険を察知したのか若干怯えながら後ろに下がって行く。
「で?誰がガキなのよ」
拳を握り締めて、女の子は歩き始めた。
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