指名手配になった勇者

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「アレン、これから聞く事を真剣に答えてほしい。いいかい?」     「う、うん……」   ラグナが突如真剣な表情でアレンに向き直り話し掛ける。       「いいのかい?君はまだ引き返せる……無理にリリス様の側にいる事はない」     「ちょっとラグナ!何を言ってんだい!」   シルヴィアの言葉を手で遮り、ラグナは続ける。       「今なら私達に脅されて、無理矢理リリス様を助けたという事に出来る。 そこのカメラマンの人に協力してもらってね」     「おいおい!俺を解放するのか!?」   ラグナの言葉を聞いてカメラマンのおじさんが驚いた様子で話し掛けてくる。       それを聞いてラグナはあっさりと頷き、ニコリと笑った。     「元々殺す気はないですよ。 私が撃った足の傷が癒えたらいつでも帰っていいです。 アレンが勇者として生きるならばそれに協力してもらう為に今すぐ動いてもらいますが」     「………………」   カメラマンのおじさんはそれを聞いて呆気にとられている様だった。       無理もない。アレンも最初は魔族を恐れていた。     「君は勇者になれる。だから今なら……」     「ちょっと待って!俺はリリスの側にいる! もう………決めた事なんだ」   胸に抱いて眠っているリリスを見つめて、アレンはラグナを見た。       ラグナはそんなアレンを見て目をつぶりほほ笑んだ。     「分かりました……なら私達が全力で貴方を守りましょう」
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