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「今日はゆっくりと城で休んでいって下さい」
「お、おう………」
カメラマンのおじさんは呆気にとられたまま頷き、城に入って行くラグナを見送った。
アレンはそれを見てカメラマンのおじさんに肩を貸して、城まで歩き始めた。
「不思議ですよね?魔族にもこんな人達がいるなんて……
おじさんも怪我が治ったら家に帰れますよ」
アレンの言葉を聞いておじさんは前を歩いている皆を見て、目をつぶった。
「コジローだ……コジロー=ノイマン……しばらくお前達を取材してみようと思う」
「………あんまりいると、居心地良すぎて帰れなくなりますよ?」
アレンはそれを聞いてそう言い、コジローと共に城の中に入って行く。
この人もここにいる皆を見て、魔族に対する考え方を改めてみようと感じたのだろう。
それに職業がカメラマンといった、世界の人々に真実を伝える仕事だから尚更だろう。
「アレンだっけか?下手したら明日と言わず、今日中にもお前は指名手配されるぞ?
いいのか?………もう引き返す事は出来ないぞ」
コジローが肩を貸しているアレンに話し掛ける。
「…………うん。俺はここにいる皆に出会えて良かった……今はそう思ってるから」
アレンが笑いながらそう言ったのを見て、コジローも笑い二人は城に入って行った。
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