指名手配になった勇者

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勇者の国『アイゼンベルグ』     そして勇者達が集う帝国騎士団本部はアレンの存在を知り、騒ぎとなっていた。     その本部の個室に集まった五人の人物が話し始める。     「間違いない……無の継承者だ。よりにもよって覇王リリスといるとはな」   丸テーブルの中央に座った男が、画面に写し出されたアレンの写真を見て口を開く。       「ん~……儂が出ましょうか?」     「いちいちでしゃばってんじゃねえぞ!クソジジイ」   歳をとった男がそう言ったのを聞いて、その目の前に座っている男が机に足を乗せて睨み付ける。       「そう熱くなるなよ……めんどくさいな」     「我ら四旗聖が出るまでもないだろう……下の奴等に任せておけ」   同じくテーブルについている残りの二人がそう言うと、再び沈黙が流れる。       その会話を聞いて、中央に座っている男がふと口を開く。     「ソル、お前の部下を送れ。リリスの城ならばお前の部下が一番近い」   足を机の上に乗せている男に、中央に座っている男が命令する。       「おう……必要なら俺も行くぞ。文句はねえな?」     「………好きにしろ」   ソルと呼ばれる男は立ち上がり、中央に座っている男を睨み付け部屋を出て行った。
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