2254人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
その頃アレンはベッドで眠っているリリスの側で手を握っていた。
「………………」
無言でリリスの頬を触り、アレンは祈るしかなかった。
「アレン………」
「リリス!大丈夫!?具合はどう?」
リリスは慌てて話し掛けてくるアレンを見て、ニコリとほほ笑んだ。
「大丈夫………だから落ち着いてよ」
「おや、目覚めましたか?」
アレンがリリスの言葉を聞いてホッと一息ついたと同時に、ラグナが紅茶を持って現われた。
「もう体調は心配しなくても大丈夫です。
アレンのお陰で全て解決しましたよ」
「…………うん」
ラグナの言葉にリリスはほほ笑みながら頷き、アレンの手を握る。
『いやいや、全く初々しいですね。この二人を見ていると』
「え?誰の声?」
「うるさいよ……『ゼロ』」
突如声が聞こえてきてラグナを見ると、胸につけている銀色に輝く十字架のアクセサリーに話し掛けていた。
「……ラグナ?今喋ったのって……」
「ああ、アレンは知らないんだね。こいつは魔道具『白銀の断罪者ゼロ』だよ」
「白銀の断罪者……ゼロ?」
十字架を首から外してニコリと笑いラグナが言う。
最初のコメントを投稿しよう!