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「……………本物だ……本物の魔王城だ」
龍が着地した場所は巨大な城の前。
アレンは呆然と城を眺めながら呟いた。
「行こう!アレン!」
「へっ?うわっ!」
リリスに手を引かれて城に入って行くアレン。
その後ろ姿を眺めながら、シルヴィアがラグナに話し掛ける。
「…………あの子がそうなのかい?」
「多分ね……陛下のあの様子からして、まず間違いないだろ」
真面目な表情でラグナに聞くとニコニコ笑いながら答えた。
「じゃ、じゃああの子が……無の力を持つ子なんですか?」
龍から人型になったシフォン。
腰まで伸びた綺麗な黄色い髪でスタイル抜群の女の子が、遠慮気味に口を開く。
「見る限りほぼ間違いない。リリス様の後遺症が消えているからね」
三人は二人の後ろ姿を見送りながら話していた。
「ヤバい……マジでヤバい……モンスターがうろうろしてる」
周りでこん棒を持ってうろうろしているゴツいモンスターを見て、アレンは汗を流しながら呟いた。
「大丈夫だよ!リリスと一緒にいたら平気だから。遊ぼう!」
ニコリと横で無邪気に笑うリリスを見て、本当にこの子が覇王と呼ばれて恐れられている魔王なのか?と思ったアレンだった。
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