道で見つけた幼女には油断するべからず

8/14
前へ
/107ページ
次へ
「……………本物だ……本物の魔王城だ」   龍が着地した場所は巨大な城の前。 アレンは呆然と城を眺めながら呟いた。       「行こう!アレン!」     「へっ?うわっ!」   リリスに手を引かれて城に入って行くアレン。     その後ろ姿を眺めながら、シルヴィアがラグナに話し掛ける。     「…………あの子がそうなのかい?」     「多分ね……陛下のあの様子からして、まず間違いないだろ」   真面目な表情でラグナに聞くとニコニコ笑いながら答えた。       「じゃ、じゃああの子が……無の力を持つ子なんですか?」   龍から人型になったシフォン。 腰まで伸びた綺麗な黄色い髪でスタイル抜群の女の子が、遠慮気味に口を開く。       「見る限りほぼ間違いない。リリス様の後遺症が消えているからね」   三人は二人の後ろ姿を見送りながら話していた。       「ヤバい……マジでヤバい……モンスターがうろうろしてる」   周りでこん棒を持ってうろうろしているゴツいモンスターを見て、アレンは汗を流しながら呟いた。       「大丈夫だよ!リリスと一緒にいたら平気だから。遊ぼう!」   ニコリと横で無邪気に笑うリリスを見て、本当にこの子が覇王と呼ばれて恐れられている魔王なのか?と思ったアレンだった。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2254人が本棚に入れています
本棚に追加