道で見つけた幼女には油断するべからず

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「ふんふ~ん♪」   現在アレンは上機嫌な魔王様を膝の上に乗せてベッタリくっついている。       可愛らしく無邪気な笑顔。とてもじゃないが人間達から恐れられているとは思えない。     「す、すいませんリリス様……トイレに行っていいですか?」     「もう!リリスでいいよ!敬語なんか使わなくていいよ! アレンはリリスの旦那様なんだから!」   ぷくっと頬を膨らませてリリスは答えた。       「じゃ、じゃあ行ってくるよリリス」     「うん!」   言い直したのを聞いて、リリスはニコリと笑って答えた。       部屋の外に出ると、広い廊下の壁にもたれかかっている女性を見つけた。     その女性は先程ラグナと一緒にいた、シルヴィアと呼ばれていた女性だった。     「流れでここにいるんならさっさと立ち去ることをおすすめするよ あんたは人間なんだ。それを良く考える事だ」     「分かってるよ………でも……」   立ち去って行くシルヴィアの後ろ姿を見送りながら、アレンは一人呟いた。       トイレを終えて庭を見ると、一面には花畑が広がっていた。     その光景を眺めて何かを飲んでいるラグナを見つけて、アレンはゆっくりと近付いた。
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