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お月様の答えに、太陽は不思議そうな顔をしました。
「私が楽しく笑うことと、お月様、あなたがぴかりと光ることにどんな関係があるんだい?」
「なに、あなた、気付いていなかったのかい?」
太陽の言葉に、今度はお月様が不思議そうに応えます。
「気付くって、一体、何が?」
「君が楽しそうにしていたとき、君の顔がぴかりぴかりととてもまぶしく輝いていたことだよ」
「私がですかい?」
「君が、だよ」
太陽は驚いて大きな海の鏡に自分の顔を映してみました。しかし、笑っていない今の太陽の顔は、いつものしょんぼりした顔に見えます。
「いいかい、太陽さん。あれを見てごらんよ」
お月様が突然、地上を指差しました。見れば、先ほど棺おけから出てきた人たちを囲んで沢山の人間たちが嬉しそうに踊りまわっています。死んだと思った人が生き返って、喜んでいるのでした。
太陽はそれを見てなんだか自分まで嬉しくなって、思わずにこにこと笑顔をこぼしました。とたんに、お月様がぴかぴかと光りました。
「おやお月様、君、光っているよ!」
「君もだよ、太陽さん」
太陽は急いで海の鏡を見下ろしました。確かに、楽しそうに微笑む太陽の顔はぴかりと金色に輝いておりました。
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