太陽と月

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 ところが、不思議なこともあるもので、棺おけが転がった拍子に中から死んでしまった人が飛び出してきました。  ごろりと地面に転がってそらからポツポツと降る雨を浴び、驚いて一言。 「なんだこりゃ、皆そんなに泣いて、一体誰のお葬式だってんだい?」  それを聞いた太陽はあんまりにもおかしくって、先ほどまでシクシク泣いていたのは何処へやら、思わずけらけらと笑ってしまいました。  そうしたところ、突然横合いからぴかりと強い光が差しました。驚いて笑うのをやめてそちらを見ると、楽しそうに目を細めるお月様がおりました。 「一体全体、お月様、先ほどの光はどうしたんですか?なぜ突然、ぴかりと光ったりしたんですか?」 「それはね、太陽さん、あなたがあんまり楽しそうに笑うからだよ」
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