6人が本棚に入れています
本棚に追加
太陽と月
昔々、まだ人間たちが毛むくじゃらだった頃のお話。
その頃の太陽は、とっても泣き虫でした。はるか遠くの地面の上で、ウサギがキツネに捕まってしまうのを見てはウサギが可哀想だと泣き、野鼠の子どもが道に迷っているのを見ては可哀想だと泣いておりました。
お陰で毎日毎日空からはポツポツと雨が降り、酷いときには地面に水が沢山貯まって大洪水になったりもしました。太陽は洪水に困る生き物たちを見てますます可哀想だと涙を流し、真っ黒な雲が一生懸命にその涙をぬぐっていました。
最初のコメントを投稿しよう!