ー絶対にー

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「……すごい冷気と龍力だったな」 「海龍派とは違った龍力でしたよ」 クラストは二人を安静にさせ、レイズたちを見た。 「うん。でもそれだけ身体に負荷がかかってる」 マリナは吐息をつく。 自分はまだ発現していない。焦りと不安が走る。 「最低でも完全龍魂は必要だよな」 バージルはクラストに問う。 彼自身、未発現だが、高龍魂のステータスはだいぶ伸びている。 それでも、スゼイやフリアには届かない。 「……ふむ……」 クラストはただ息をゆっくり吐いただけで、何も言わない。 (敵は確実に我々を見下している。そこにうまく付け入れれば……) 「なんとも言えん。ただ、今の龍力=負け。と結び付けるのは早い」 「……どういうことだ?」 レイズはクラストを睨みつける。 ミーネが発現したのは嬉しいことだが、百パーセントではない。危機に陥ってから、では遅い。 「向こうは負けないと信じている。そこをうまく突けないか?」 「ムリだね」 バージルはあっさり切り捨てる。 「今までのあいつらとは違う。スゼイの龍力を見ただろ?フリアも慈悲で止めたんじゃない。レイ絡みだ」 バージルは自分の目を指す。 「一緒にいたから分かる。今のあいつらは、レイの一言で鬼にもなるし、味方にもなる。力に従う。スラムのルールだ」 スゼイは、その時ブチ切れていたからはっきりとは言えないのか。 「油断はしないよ。絶対に」
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