Chapter01

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もし俺が超天才でスポーツ万能な絶世の美少年であれば、彼女を手に入れるのは多分簡単なことだろう。 だがしかし現実はそううまくはいかない。成績は中の中、スポーツも下手ではないが、自慢できるほどでもなく、顔も可もなく不可も無く、と言ったところだ。 これと言って個性が無い、ごく普通の生活を送るごく普通の高校生。それが俺。外の世界を何ひとつ知らない井の中の蛙だ。 だが別に外の世界なんてどうでもよかった。今を平和に生きていられればそれでいい。普通に暮らして、普通に勉強して、普通に青春して、普通に高校卒業して……とにかく普通が一番だ。 そして、それまでは俺の望むように、俺の世界は普通で、平和だったのだ。 そう、今日までは。
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