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……俺のバカ。
親がいない気持なんて、俺もよくわかってるはずじゃねぇか。
そう。
俺には親がいない。
親父もお袋も、俺の目の前で死んだ。
理由はよくわからない。
その時俺はまだ5歳のガキで、覚えていたのは血まみれになって俺を庇った二人の姿だけ。
残された俺はじいちゃんに引き取られ、現在に至っている。
未だにあの時の夢をたまに見る。
毎回、血まみれの親父とお袋の姿がリピートする。
夢を見た日は胃が重くなる。
勿論そんな様子を表には絶対出さない。
変に気を使われるのも困るし、自分でも辛くなるような気がするからだ。
俺が一番よくわかっているのに。なのに。
その時だった。
「きゃぁぁぁぁぁっ!!!」
甲高い悲鳴。
あの方向は……
「楓ちゃんっ!?」
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