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なんなんだあれは?
楓ちゃんを自分の意思で追っているところからして、少なくとも『あれ』はどうやら生き物らしい。
しかし
……あんな生き物、今までに見たことが無い。
化物か?
そうかも知れない。
だとしたら
……どうする?
「きゃっ」
その時、楓ちゃんがつまづいて倒れた。
身体を揺らしながら近づく化物。
「いやぁっ来ないでっ!!」
迷っている暇なんてない。気付いたら俺は駆け出していた。
「このやろぉぉぉぉっ!!!!」
冷たい感触。
化物の身体を、俺の腕が貫いていた。
化物は俺から逃げるように一歩後ろに下がった。
「効いた……のか?」
その時、後ろにいた楓ちゃんが言った。
「玖珂くんの腕……?」
「腕?」
俺は化物を貫いた自分の右腕を見てみた。
「な、何だこれ……」
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