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俺の腕の上で、赤く光るアザのような紋様が、蛇がとぐろを巻くかのように浮き上がっていた。
「うぐっ」
全身が熱い。
風邪を引いたときのような気だるい熱さではなく、まるで火炙りにされているような鋭い感覚だった。それと共に、俺は身の昂りを覚えた。
「あああああっ!!!」
俺の右腕の上で何かが形作られていく。最初は赤黒い煙のようだったものが、段々姿を現していく。
「何だこれっ!?消えろ!消えろ!!」
しかしそれはますますはっきりとしてくる。尾、足、胴体、腕………そして最後に頭が出来上がった。
『ふィ~、やっと自由だぜェ。今まで俺様の為にエサ集めゴクロウサマ!んで早速だがオメェのカラダを頂くことに………ん?』
「な、な、なんなんだよお前!!」
驚くのも無理はなかった。だって俺の右腕から出てきたものは……ドラゴンだったから。
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