愛しい人

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「…、俺がよくないよ…」 そう言うと、緑里がくるまっている布団をひっぺがした。 「ゆう、…っ!」 驚き佐東を見つめる緑里。名前を言おうと開いた唇に、佐東は自分の唇を押し当てた。 そこから、緑里の口腔へと舌を侵入させる。 突然の深いキス。 緑里はろくに息継ぎもできず苦しい。 否、それ以上に、 この切なな表情で激しい、余裕を無くしたキスをする佐東が苦しい。 緑里はそう思った。流され、ぼんやりとした意識の中で。 ただされるがままになっているのは、何故?
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