愛しい人

7/21
前へ
/54ページ
次へ
…… 目が覚めると、そこは教室ではなかった。 緑里は寝転がったままキョロキョロと辺りを見回した。 どうやら保健室のベッドのようだ。 「んーっ、よく寝た!」 スッキリとした目覚めに気持ちをよくし、ぐっと伸びをして爽やかな笑顔。 そしてすぱこーんっと頭をはたかれた。 「馬鹿だろ。いきなり劇的な寝方しやがって馬鹿だろ。」 「むむっ、何を怒ってるんだ?俺の美しい寝顔に嫉妬でもしたのかい?はは!」 「馬鹿だろ。いきなり劇的な寝方しやがって馬鹿だろ。」 全く話を聞かない緑里に佐東は同じことを繰り返し言った。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加