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「……悪いとは思ってるよ。だけどお前にはこの屈辱が分かるか!?男が女に間違われるこの屈辱が!!」
......そうなのだ。
俺は生まれつき女顔の為、いつも女だと間違われる。
いや、それだけならまだ良かった。
車の窓から見える空があの時の空によく似ていて、俺は嫌でもあの日のことを思い出すことになる。
確か……
あの日も俺は教室の窓から一人、ぼんやりと外の景色を眺めていた。
そんな時、違うクラスの男子に廊下に呼び出されたのだ。
「三条!」
「ん?」
「今ちょっといいかな?」
「......うん?」
話したこともない奴が俺に一体何の用だ?
俺は単刀直入に聞いた。
「で、何?」
「一目惚れだったんだ……」
「は?」
初対面の相手にいきなり恋愛相談とは驚いた。
そういうのはもっと親しい相手とすべきじゃないのか?
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