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気が付けば俺はそいつの胸ぐらを掴んでいた。
「俺は男だボケェ!!」
廊下に響く声。
自分でも驚いた。
気が付けば俺は大声を上げて叫んでいたのだ。
壁にはビリビリと衝撃が走る。
緊張感が走る。
それなのにこいつときたらヘラッと笑って「君は男の子になりたいんだね?」と、訳の分からないことを言い出した。
絶対こいつ俺の言ってる意味分かってねぇ!
つーかちょっとはビビれよ……
「ああっ!?てめぇナメてんのか!?」
「大丈夫。君の趣味を否定したりなんかしない」
......趣味?
趣味ってなんだ?
お前の中での俺は一体どんな趣味してるんだ?
男装?
「じゃあなんだ?お前は俺が男でも好きだって言うのか?」
吐息の掛かる距離。
俺はうんと顔を近付けて意地悪に笑った。
これでも分かんねーならただの糞だ。
しかしそいつは俺の最後の希望を裏切り、目を反らして赤くなったのだ。
「それはBLごっこかい?僕は真剣に話してるんだけど」
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