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「知っていたのか?」
「御前は持病を患っていらしたので。
もう長くないことは存じておりました」
「こんなもののためにっ!
俺は、じじぃを見取ることさえ出来なかったっていうのかっ!!」
手にしたコインを叩きつけようとしたが、
さっとそれは取り上げられた。
ぱんっと俺の頬が鳴る。
「みっともないですよ。
そして、こんなものとは何ですか?」
「だって、そんなものじじぃの命に比べたら!!」
俺の頭の中はぐちゃぐちゃだ。
じじぃが死んだ?
ホントに死んだ?
嘘だろ。
あのじじぃは、絶対殺しても死なない・・・。
「彩華。このコインを集めるために、
どれだけの手下が動きましたか?
情報を集め、計画を練り。
それでもこんなものですか?」
真っ直ぐこちらを睨む瞳は、
俺に嘘も偽りも許すものではなかった。
どれだけ睨みあったのか・・・。
根負けしたのは俺の方だった。
「俺が・・・悪かった」
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