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それから数ヶ月、俺はコイン集めに奔走した。
入手したお宝に気を払わなかった結果、手下が負傷した。
俺のミスだ。
1枚、また1枚。
ワナをしかけ、時には防御し、失敗して盗られ。
俺の手元へもコインの情報が舞い込み、バトルを仕掛ける。
気が・・・休まらない。
そんな時だった。
「仲間の申請を受けました。お受けになりますか?」
手下頭が2枚の封筒を俺に差し出した。
仲間?
「そうです。御前にじいやがいたように、戦いは1人では続けられません。
今のあなたに選り好みをする余裕があるとは思えません。
お2人からの申請、お受けすることをお勧めいたします」
俺は手にした封筒を開くこともないまま、迷った。
「受けた方がいいと思うんだな?」
「はい」
「ではその旨、先方へ伝えてくれ」
「中身の確認はよろしいのですか?」
「今からするが、受ける」
じっと正面から目を見据える。
ふわっと表情を緩め、うなづく。
「わかりました。使者を出します」
それが長く続く付き合いになるなんて、この時の俺は思いもしなかった。
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