怪盗彩華誕生

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首尾よくこの日はお宝を奪い取ることが出来た。 被害もない。 その日は久しぶりに夢も見ずに寝た。 思ったより疲れていたのだろう。 翌日俺が目覚めると、既に日が高くあがっていた。 「しめしがつかないな・・・」 苦笑しながら身支度を整え、部屋を出る。 「こちらを。」 俺が起きだすのを待っていたのだろう。 封書と小箱が俺に差し出された。 「なんだ?」 「ご覧になればわかります」 入っていたのは、ピンク色のメッセージカード。 『彩華ちゃん❤昨日はありがと➰ ほんのお礼を贈ります🎁』 礼? 箱を開けると、そこには誘惑の象徴と呼ばれるコイン、 バイオレットが収められていた。 「おいっ。これはっ」 「お仲間からのお気持ちですよ。 好意をお返しする、なんて言いませんね?」 「ぐっ」 カードに目を落とし、3回読み直す。 そっとカードは胸ポケットへ差し入れた。 ポケットが小さく熱を持つような気がした。 残るコインは・・・。 あと1枚。 そう、マルーンブラウンだ。
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