3人が本棚に入れています
本棚に追加
立派な門の端に、晃瞑流総合武術と書かれた看板が立てられていた。
『すみませぇ~ん!!』
『はい、なんでしょう?』
五代の呼びかけで、奥から男の人と、その影から女の子が現れた。
『あの、うちの息子の蓮斗をそちらの道場で鍛えて欲しいのですが…』
五代が蓮斗の背中を押して前に出させた。
『すみません…
今日引っ越してきたばかりでまだ荷物の整理とか出来てないんですよ。
といっても家はここじゃないんですけどね。
家の方は妻が整理してるので僕は娘の子守もかねて道場の整理をしているんです。』
『そうだったんですか…じゃあ私も荷物整理を手伝います♪
これから息子が世話になるところだ。出来ることはなんでもしておかないと…』
五代と蓮斗は門の中に入っていった。
『すみません助かります。ちょうど5時までに家に帰る約束なので猫の手でも借りたいところだったんですよ…
私の名前は久遠(くおん)晃瞑、
そしてこちらが五才になる娘の葵(あおい)です。』
『私は剣菱五代、
うちの息子も五才なんですよ♪』
晃瞑と五代はお互い握手をした。
それを真似て蓮斗は葵の手を握った。
『蓮斗、この近くにこうえんがあっただろ。
お父さん達が呼びにくるまでそこで遊んでこい♪』
『はぁ~い!!』
『葵も蓮斗くんにいっぱい遊んでもらうんだぞ♪』
『…………』
2人は手を繋いだまま近所の公園へ向かっていった。
最初のコメントを投稿しよう!