好きじゃない。

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好きじゃない。

「大将は大佐のドコが好きなんだ?」 「は?俺、好きじゃないよ?」 「「「「ぇ…」」」」 鋼の錬金術師と焔の錬金術師は恋仲である。 その事実をココ、東方司令部で知らない者はいないに等しい。 2人は、恋人同士になってからというもの、バカップル振りを惜し気もなく発揮していたため、今ではそのバカップル振りは、軽く東方司令部の名物になっていた(見る人から見ればかなり迷惑な名物ではあるが) ただでさえ何かと目立つ2人だったからということも名物化する要因になっていたけども。 そんなある日、ロイの部下であるハボック(+aその他部下3名)は、ロイの仕事が終わるのをオレンジジュースを飲みながら待っているエドに冒頭のようなコトを(からかいを含み)聞いたのである。 少年が天邪鬼で恥ずかしがり屋で照れ屋なのを知っている4人は、エドがてっきり顔を真っ赤にして可愛い反応を返してくるだろうと考えていたが、まったくもって予想だにしなかった応えが返ってきてしまった。 そして現在、なんとも掲揚し難い気まずい空気が4人の間に流れている(エドは不思議そうにそんな4人を見ながらオレンジジュースを飲んでいた) 「何?」 「大佐のコト…好きなんだよな?」 「だから、好きじゃないってば」 「「「「…………」」」」 さっきのはきっと自分達の聞き間違えだろうと思い、もう一度聞いてはみたものの、少年からはさっきと変わらぬ応えが返ってきた。 また、部屋に沈黙が広がる(エドは気にすることなく出されたクッキーを頬張っていたけども) 「エドワード君…大佐のコト嫌いなんでしょうか?」 「じゃぁ、何時ものあの胃がもたれるんじゃないかってくらいのバカップルぶりは何なんだよ」 「…演技とかでしょうかね?」 「あの大将がぁ?無理だろ!絶対!!」 エドに聞こえないようにヒソヒソと喋ってはみるものの、何故好きでもないのに付き合っているのかという疑問は解決しない。 ここは本人に直接聞くのが一番だろうと結論付けたハボックが思いきって聞いてみた。  
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