248人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺、大佐のこと好き」
そう言った俺を、目の前の男は目を丸くして凝視する。
「大佐?」
「あ…あぁ、すまん……何の話だったかな?」
「好きって話」
「何が?」
「俺が」
「…何を?」
「アンタを」
「………」
大佐はまた俺を凝視。
当然だろう。
生意気で、ガキな、男の部下に突然好きだと言われたんだ。
俺が大佐の立場でも、同じ反応を示すだろう。
「……本気か?」
「本気だ」
「…」
また沈黙。
聞こえるのは、アンタと俺の息遣い。
「好き」
「はが―…「好き。大好き。アンタのコト考えると、息が出来なくなるくらい好き。アンタになら殺されても構わないってぐらい大好き」」
言いながら、ゆっくりと革のイスに腰かける大佐に歩み寄る。
-ギシッ…
俺が手を突くことによって、イスが小さな悲鳴をあげた。
大佐は、夜の闇が溶け込んだような漆黒の瞳で、ジッと俺を見つめる。
その漆黒に引き寄せられるかのように、自然と顔を近付けた。
俺のソレと大佐のソレとが少しの間触れ合う。
暫しの沈黙の後、そっと顔を放すと、さっきよりも目を丸くした大佐のマヌケな顔。
「ごち♪」
俺はニコッと笑い、執務室から逃げるように出ていく。
暫く走ると、後ろから大佐の声が聞こえてきた。
あんなに距離があったのに、どんどん声が近付いてくる。
俺は口端を微かに上げた。
駆け引きは、俺の勝ち
-EDside-END
突発過ぎてわけわからん。
.
最初のコメントを投稿しよう!