優しい風、暫しの安らぎ

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俺が扉を開けると、大佐は椅子に腰掛けてうたた寝をしていた。   机の上には山程の書類が鎮座していた。   俺はしょうがねぇヤツと思いながらも、慎重に扉を閉め、内鍵を閉めた。     起こさないようにソッと近寄る。   開け放たれた窓から優しい風が俺と、大佐の髪を優しく撫でていく。   大佐の目の前に立ち、顔を覘き込む。     大佐の目の下にはうっすらとだが隈が出来ていて、疲れているであろうことが見て取れた。   俺はジッと大佐を見つめる。   睫毛長いなーとか、童顔がもっと童顔に見えるなーとか、そんなことを考えながら…     また、風が吹いた。   睫毛が揺れる。   瞼がゆっくりと上がる。   大佐の漆黒の瞳が俺の姿を捉える。   目と目が合った。     「は、がねの……?」   「おはよう、大佐」   「いつ…かえって…?」   「さっきだよ。アンタ寝てないだろ?隈出来てる。」   「ん……テロが頻繁に起きてね………鋼の…」   「何?」   「こっちへ…」   大佐が腕を広げる。   俺は大佐に跨り、大佐に抱きつく。   大佐もギュッと抱き締めてくれる。   「おかえり、鋼の」   「ただいま…」   そう言って、俺達は、ソッと唇を重ねた。           END   ほのぼの書くのは楽しいです(´∀`)
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