素振り1000本

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次の日、朝早くに来いとキャプテンに言われたので7時頃にグラウンドにきたススム。 『遅いぞ!早く来いと言われたら5時には来んか!』 『そんなに早くからきてたんすか!』 『いや、ついさっきだ』 『……へっ?』 ススムはケンを白い目で見ている。 『いいか、今日は昨日のフォームを思い出し、素振りをこなす一日だ』 『はい』 『早朝に300本、昼休みに200本、練習後に500本バットを振ること!いいな!』 『よし、やるぜ!』 『俺は中間テストが赤点で補習があるから、練習を見れんが、サボらんように妹に見ててもらうからな。しっかりやれよ!』 ケンの妹とはヒロミのことである。 ヒロミがこっちを見て笑顔で手を振っている。 ケンさんアリガトー 心の中で叫んだススム。 『わたし、ここで見てるね』 適当に座れそうな石を見つけたので座ってみることにした。 好きな人に見られてると思うと少し緊張するものだ。 黙々とバットを振る。 『すごーい。ススム君のスイングスピードお兄ちゃんと同じくらいよ』 『そ、そーすか?』 『そーよ。速いわ』 『アハハ。さあ、続き続き』 ススムはヒロミと朝から、2人だけの時間が過ごせるなら毎日やってもいいと思えてきた。 8時30分になる。 なんとか300本やり終えた。 『間に合った』 『えらいわススム君、じゃあ、校舎に入りましょう?』 『はいはい、ただいま!』 昼休みになる。 ジャージに着替え、部室へ向かうススム。 『おいおいススム、どこに行くんだ?』 アキラだ。 『素振りだよ。キャプテンに言われたんだ』 『そうか、なら僕もいくよ』 制服のままアキラがついてきてくれた。 グラウンドに誰の姿も無いが、時間が限られてるので、ススムはすぐに黙々とスイングした。 『だいぶ良くなってるじゃないか!』 アキラはススムの成長の速さに驚くばかりだ。 『まだまだだよ』 口ではそういうが勿論嬉しいものだ。 チャイムの5分前に200スイング終えることができた。 『着替えもあるし、急ごう』 2人は走って教室に戻った。
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