里中高校へ

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次の日、ススムとアキラは一緒に自転車に乗って登校した。 家から近い。自転車でわずか10分の距離だ。 朝8時30分まで眠れるなんて、なんとうらやましいことか。 『だいたいさあ、入部を認めない権限なんてキャプテンにはないよな!』 昨日の件についてススムは言及。 今まで絶大な人気を持っていたアキラも流石に言葉少なだ。 『……そうだね』 『マジで気にするなって。アキラの球見ればみんな納得してくれるさ』 『うん』 授業も終わって、放課後になった。 アキラはちょっと調べものがあるらしいので、ススム1人で見学に行こうと教室を出た。 ドンッ! 『いったあ!何すんだ!』 『あっ、ごめんなさい』 ススムに当たってきたのは、ススム好みの美少女だった。 『っ!?』 モロタイプだった。 『あ、いやいや、なんのこれしき』 『わあ~、良い体つきしてますね』 『さ、サッカーやってたから』 『あの、野球はお好きですか?』 『野球?』 『私、今日から野球部のマネージャーやるんです。でも、人数足りないみたいで』 『もちろん、好きです!昨日も見学に』 『そうだったんですか。私、後藤ヒロミっていいます。それじゃ、野球部のグラウンドまで一緒に行きましょう』 ススムはいままでの人生の中で一番幸せな時を過ごしているかもしれない。 ヒロミの案内で野球部の部室に入った。 中はちょっと汗臭く、また土の匂いもした。 これが野球の匂いなのかもしれない。 ユニフォームが余っているのでくれるという。 ヒロミに手渡され、俺はユニフォームに着替え、グラウンドに出る。 『まあ、ピッタリ。似合っているわ』 ススムは頭をかいた。 昨日練習していたキャプテンを除く5人がススムを見にきた。 ススムはサクッと自己紹介。 『初めまして。先輩達。陸奥ススム。中学の時はサッカーをやってたので、シロートですがよろしくっ!』 『初めての後輩だ』 『こちらこそよろしく』 ススムは思っていたよりも良い人そうだと思った。 『あれっ?キャプテンは?』 『今日はまだ部活に来てないんだ』 初めてだから、まずは練習をよくみて学んで欲しいと白井監督から言われたので、今日はランニングがメニューになった。 『あの娘の為にも一丁やるか!』 俺は未知なる世界へ文字通り走り出した。
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