第二章

4/11
前へ
/41ページ
次へ
少しして、斯榮が軽く吹き出すようにして笑った。 それにより、私から笑顔が消えて表情が強張っていた事に気付く。 そして斯榮はやわらかい微笑みのまま私に言う。 「今の。斧里の本気の表情だったでしょ?見ちゃった、俺だけが知ってる斧里くだら。今日は赤飯にしなくてはなっ。」 私は内心の焦りを精一杯隠し、笑顔で言う。 「なんのことっ?」 すると、微笑のまま私の目を見据えて言う。 「焦ってるの隠れてないよ?あと、笑顔もぎこちない。」 私の事を、完全に読まれている気がした。 そして斯榮は大きく息を吸って言った。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加