第一章

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斯榮は、それだけ言うと私の前から去って行った。 私はその時その言葉の意味がすぐに理解できた。 彼の目がなにもかもを語っていたからだ。 まるでテレパシーでもしたかのように、彼の言葉の奥深くまでが、鮮明に頭に響いた。 彼は私に、本当の私に気付いたのだと思う。 怖い。 ただ、私の心は恐怖に侵略されていた。 こんな思いは今までになかった。はじめての感情だった。
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