~小学校

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それから数年経ち 俺は少し冷めた小学1年生から、家ではひどく冷めた小学3年生に成長した。 しかし未だ家庭に馴染めず、学校から帰って来ては鞄をおいてすぐに友達の家に遊びに行き、晩飯近くになるまで絶対帰ってはこないという日常が続いた。 わかっていることだが、親はこんな事では決して心配などしてはくれなかった。 むしろ学校から帰って来ると、ほとんどの確率で両親はパチスロへ行っており、家はもぬけの殻だった。 たしか母がパチスロにハマりだしたのもこのあたりからだった.....気がする。 そんな、夜までパチスロで豪遊してくることが母達の日課になってきたある日 俺は新ちゃんが仕事に行ってから、怒鳴られるのを覚悟で勇気をふり絞り母にスロットについて指摘したことがあった。 夜まで帰ってこないと流石に腹が減って死にそうだったので、弟と相談しながら決めた事を代表して言うわけだ。 俺『お母さん、なんでスロットばっかり行くん?』 すると母は苛立たしげに 『あんたらの生活費稼ぐためやんか❗ そんなんもわからんのか❗』 と答えた。 俺『でも新ちゃん働いてくれてるし、そんなんやらんでいいんじゃない? 僕らお母さんら帰って来るまで何にも食べれやんからお腹空くんよ...』 しかし母は無情にも、そんな小さな願いすら聞き入れてはくれなかった。 母『お前何な、じゃあお母さんらが遊んでるって言いたいんか!? 誰のおかげで生活できてると思ってるんな! もっと身分弁えろ!』 俺『別に遊んでるとか言ってないやん! ご飯無いからはよ帰って来てほしいだけやん!』 母『飯くらいやろうと思ったら自分らで作れるやろ! お前はそこまでアホなんか!』 俺は、別段おかしい事を言ったはずじゃないのに散々罵倒された。 そして最後に――― 母『お前らの飯とお母さんらのスロット、どっちが大事なんか考えろ! こっちは金かかってるんや!』 と切り捨てられ、手元にあったマグカップを投げつけられた。 マグカップは、顔にこそ当たらなかったものの側頭部に直撃し、そのまま俺は後ろに倒れた。 弟が心配してかけよって来る中、母は何の反応も示さず、ただ舌打ちをしながらタバコを吸いに外に出て行った―――。 俺と弟はその後、晩飯を作ってもらえずにそのまま眠りについた。 今でも俺は、パチスロを生活の真ん中に置いている母を憎くて憎くて仕方がなくている...。
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