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ここで最近出てくるようになった弟を紹介したい。
弟は俺の2年後に生まれた、少し生意気なやんちゃ坊主である。
敬語は彼の辞書にはなく、俺が友達を連れてくると必ず呼び捨てにしたものだ。
最近は丸くなったのか俺が友達をあだ名で呼ぶと、弟も真似してあだ名で呼ぶようになった。
あと、実は俺と誕生日が1日違いの12月3日だったりする。
おかげで俺の誕生日が弟と同日に纏められてしまうことも少なくない
そんな弟の事を考えると悪口しかでない俺だけど、何だかんだで弟がかわいんだと思います。
今回はせっかくなので母は忘れて弟とのエピソードでも…
弟には内緒な?
あれは俺が小2の頃
俺が学校の帰り道数人の友達と『先頭の奴が通った箇所を通る』というくだらない遊びにハマってて、俺が最後尾を歩いてた時だった。
先頭の奴が調子乗りで、蛇行したり危ない溝道を通ったりしてたのだが
ドジだった俺はレベルについて行けずに、深さ2メートル近い狭い溝に頭から落ちてしまった事があった。
友達は俺が落ちた事も知らずに行ってしまい、普通の学生が通る道じゃないので他の学生からの助けが来ない以上、自力で上がるしかないのだが
頭から落ちたため、狭い溝で方向転換できずに苦しんでいた。
20分程経っただろうか。
数字で見ると短く感じるが、ずっと逆さでいるのがどれだけ辛いかを考えれば事の重大さがわかると思う。
大袈裟だが、僕はもう死ぬんやな...
そんな考えが頭を過ったその時―――
『―――もしかして、兄ちゃん?』
こんな人気のない所にいた俺を、弟が見つけ出してくれた。
俺『動けやんねん...』
しかし、結構な深さのその溝からは弟の力では引き上げれなかった。
と
弟『兄ちゃん、もうちょい待ってて!
助け呼んでくる!』
と言って走り去って行った。
約10後、弟は近くの薬局のおじさんを連れてきてくれ、俺は無事引き上げられた。
頭に血が上って目眩がした。
薬『この子うちに来るまでずっと走ってたらしいわ。
兄ちゃん助けてって来たから何事かと思ったわぃ
弟さん大事にしぃや。』
と言われたので、俺は恥ずかしながらも弟に礼を言った。
俺『その、ありがとな...。』
弟『いいっていいって!』
そんな弟も今となってはストレスの種の一人なのだが―――
まぁここは一つ、お前の人の良さに免じてやるとするか。
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