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ここで突然だが俺の『父』について説明したいと思う。
俺の父....というかお父さんの職業はJ〇の電車の運転手だ。
地位もそこそこあり、他の社員からの人望も篤く、新入社員が相談事を抱えている時はまずお父さんに相談に来るぐらい........というのは本人が言っていたのだが
とにかく情が熱くて優しい、今時珍しいあらゆる点で優秀な社員でもあり、俺が胸を張って誇る事のできる自慢のお父さんでした。
休みの日には必ず構ってくれたし、休みじゃなくても仕事で疲れている自分の事も気にせず俺の風呂に付き合ってくれたりもした。
貴重な休日の丸1日を使って電車の旅に連れて行ってくれたこともあったほどだ。
俺はそんな子ども思いのお父さんが大好きで、お父さん無しの生活なんて考えた事すらなかった。
―――でも、そんな夢のような毎日も俺が小学校1年生になって少したった頃に、脆くもあっけなく崩れ去ってしまったのだった。
またしても、あの母の意思によって―――。
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