インモラル(仮題)

あたし２

あたしは勉強もある程度はできた。

兄妹がいない代わりに本が友達だったし、休みの日にどこかに連れ出してくれるほど暇な親たちではなかった。

土日でもよく父は自宅から10分ほど車を走らせた所にある事務所にこもって仕事していることが多かったし、軽い事務を任されていた母はあたしにご飯の用意だけしてくれて父についていくことが多かった。

大人しく独り慣れしているあたしはやけに安心されていて、小学二年生くらいから留守番を預かっていた。

別に外で遊ぶのが特別好きなわけでもなかったし、家の中では自由だったしそれはそれであたしは良かった。

あたしは一人の時間が好きだった。