あたし2

9/10
前へ
/40ページ
次へ
そんなこんなで運動はあまりできないけど、祖母のお気に入りの知的な少女としてあたしは育った。 二か月に一度やってくる『おしょくじかい』には白いタイツにワンピースといった小公女のような格好をさせられて まるで面接官のような親戚一同に囲まれて、お行儀よく食事をし、お行儀よく質問に答え、お行儀よく笑った。 父も母もそんなあたしを満足げに眺めていた。 あかりの将来が楽しみね よく2人がそんな会話をしてるのを、何食わぬ顔をして読書をしながら聞いていた。 親たちはいつもあたしに語りかけるではなく、まるでテレビを見て話すようにあたしのことを二人で話していた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3511人が本棚に入れています
本棚に追加