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『おちこぼれ』の一部は彼を憎んだ。
答え方を知らない彼女達は、クラスの生徒の前で頭の回転の悪さを知らされて、自分に落胆する代わりに彼を憎んだ。
あらゆるあだ名をつけ、あらゆるイタズラをし、あらゆる手段で彼女達なりに彼に仕返しをしていた。
しかし、そこに問題はなかった。
彼はそれを思春期の社会現象の一部だと考えていたし、お嬢様学校の中学生がする反抗なんて、彼からすればたいしたものではなかった。
会社員であれば誰しもが上司や先輩で苦労するように、教師であれば誰しもが経験する試練であり、それが仕事なんだと彼は捉えていた。
彼は当たり前のように大人だった。
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