夢の世界

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「これを飲めば 純ちゃんに必ず幸せが訪れる魔法の薬よ!! お母さんは常に純ちゃんの幸せを願っているわ。 さぁ‥早く飲んで!!!」 相澤さんは母親の話を聞きながらも小瓶をじっと見つめていた。 きっと怪しんでいるに違いない。 俺はあの小瓶の中身が何なのかはまったくわからないが 絶対に魔法の薬なんかではない!! そんな確信があった。 「幸せが訪れる魔法の薬ねぇ‥ そんなのあるわけねぇよ!! 絶対飲まない方がいいぜ!??」 佑樹さんがそう言った瞬間母親は物凄い形相で睨み付けてきた。 恐怖を感じた佑樹さんは思わず怯み後退りした。 その時突然バスから 『扉が閉まります‥ 発車します‥』 とアナウンスが聞こえてきた。 「ゲッ!?? 扉閉まっちゃうのかよ!?? どうするんだ?? 修平どうすんだよぉ!???」 あたふたと大吾が慌てている。 「どうするったって‥ 佑樹さぁーん!!! 扉閉まっちゃいますよぉ!!! どうするんですかぁ!???」 「クソッッ!!! 仕方ねぇ‥ 電話も貸して貰えそうもないしここは一旦バスの中に戻ろう!!」 佑樹さんはバスの方へと向かって走り出した。 俺達もすぐにバス車内へと駆け込んだ。
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