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魔王「おぬしにも関係のある話じゃ。聞くのか?聞かんのか」
勇者「……どっちでもいい」
魔王「まったく……素直じゃないのう…」
勇者「早く……話してください」
魔王「うむ。倒れたままでいいから聞くがよい。じゃあ……まず最初に、何故おぬしはわっちを殺そうとするのじゃ?」
勇者「……俺が勇者で、貴女が魔王だから…」
魔王「それは前にも聞いたわい。じゃから、何故おぬしが勇者でわっちが魔王なら、それがわっちを殺す理由になる?」
勇者「勇者は……全ての人間のために、魔王を倒して平和を……」
魔王「……何故人間は、わっちを憎むのかの」
勇者「決まってる。魔王は全ての魔物を牛耳っている頂点の……」
魔王「はたしてそれは本当かの……」
勇者「え……?」
魔王「んふぅ……」
勇者「ど……どういう意味ですか?」
魔王「……わっちは、この大陸にいる魔物達に『人間を襲え』や『村を攻めろ』など、命令などしておらん」
勇者「は……?」
魔王「大体、わっちは他の魔物より飛び抜けて魔力が強いから魔王と呼ばれているだけで、ただの魔物の一匹にすぎん。わっちの支配下にあるのは、精々この城の魔物達ぐらいのものじゃ」
勇者「それって……」
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