411人が本棚に入れています
本棚に追加
魔王「そう、わっちは大陸で魔物達の起こしておる事件など、なんの関わりもないんじゃ」
勇者「…………。」
魔王「わかったかの?」
勇者「でっ…でも!前に出ていった勇者達は、魔王にやられたんだって…」
魔王「……魔王城までたどり着いた勇者は、おぬしが初めてじゃよ」
勇者「え……?」
魔王「大方、ここに来るまでに他の魔物にやられたんじゃろう……」
勇者「そんな……」
魔王「わっちは人間を殺したことなどない。魔王の称号を奪おうと、ここに攻め入ってきた馬鹿な魔物達なら何匹も殺したがの……」
勇者「じゃあ貴女は…」
魔王「無関係……じゃな」
勇者「…………。」
魔王「言葉を失うのも無理はなかろう。……わっちだって……辛いんじゃ」
勇者「何が…ですか…?」
魔王「わかるかや……?どこぞの、わっちと何の関係もない魔物が人間を襲うたびに、魔王のせいだと、いつもわっちが怨まれる……。わっちは何もしとらんのに、人間から嫌われるのはいつもわっちじゃ……」
勇者「あ…………」
魔王「……勇者、一つわっちに提案があるんじゃが」
勇者「提案……?」
魔王「うむ……おぬし、わっちの家来にならんか?」
最初のコメントを投稿しよう!