1話

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異様に喧しい音が耳に入る。 鳥の囀り…ではなく、目覚まし時計。 実際のところ、これは無くても起きれるんだけど、無いと不安だ。 「今日からついに…へへへっ。」 ついついにやけてしまう。 危ない危ない…誰かに見られたら恥ずかしいってレベルじゃ済まないよ…。 とは言っても、一人暮らしだから家の中で僕は文句を言われない。 うん、自由なのは良い事だ。 まあ、そんな事よりも朝食が優先しよう。 トーストを口にくわえながらも、準備は進める。 時間を無駄にはできないしね。 …それから10分。 「よし、行こう!」 気合いは十分。 今日から始まる新しい生活にワクワクする気持ちが隠せない。 今の僕の口元は、少し緩んでいる筈だ。 戸締まりは完璧。 この家は、鍵を持った人が家を出ると、自動で鍵をロックしてくれる、オートロック式だ。 これが意外と助かる機能なんだよね。
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