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「カイト~!起きたんならさっさと下に下りてきなさいよ~。」
目覚ましの音が聞こえたのか、母さんの声が階下から響いて来る。
「ちょっと待って!今行くよ!」
僕は急いで着替えを済ませ、一階に降りて行った。
「あ、おはよう、兄ちゃん。」
そう言って話し掛けて来たのは、僕の妹、宿崎璃紗【しゅくざき・りさ】。
「おはよう。」
その長いポニーテールの後ろ姿を眺めながら
(……しかし、………相変わらず可愛いよな……
我が妹ながら。)
なんて、考えたりする。
あ…、べ、別に、シスコンとかではないですよ!?
…たぶん……。
「私ももう高校生か~。早いな~。」
そんな事を言って新品の制服の具合を確かめている妹を見ていたら、
「ちょっとカイト!二年生は新入生より早く登校するんでしょう?早くしないと!」
母さんに怒られた。
と同時に、自分の置かれている状況を思い出した。
「…やばい。今日はいつもより早く出なきゃいけないんだった!!」
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