序章。

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それから先は、もう、嵐だった。 朝食のパンを口に頬張りながら、猛ダッシュをするという、なんとも古典的過ぎて笑える格好で家を飛び出した僕は、しかしながら交差点でもT字路でも誰にもぶつからずに進んで行く。 ……………………………………… 「ふぅ………。何とか間に合ったかな……。」 ようやく視界に見えてきた校門を見ながら一人呟く。 ……と、油断していたら校門が閉まり始めた。 「え!?……ち、ちょっと待っ……」 歩速を早めたのもつかの間、僕の後ろから何かが通り過ぎていき、校門に直撃する。 すると、校門はぴたりと動きを止めた。 走って校門に近寄ってみると、鉛筆のような物が門と門柱の間に挟まっている。 ……ていうか、おもいっきりただの鉛筆だった。 「はぁ~、間に合った~……」 不意に、後ろから声が聞こえてくる。 後ろを振り返るとそこには、いつの間に着いたのか、女子生徒が一人立っていた。
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