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「この校門、定刻になったら閉まるようになってるのよ。これで止めたのは初めてだったけど…、やっぱり人間、だめもとでもやってみたら案外出来たりする事って多いよね~…」
校門に突き刺さった鉛筆を引き抜きながら僕にそう言った女生徒は、
「ね。……宿崎快斗【しゅくざき・かいと】君?」
僕の名前を知っていた。
……あ、でも、別に不思議じゃないか。
……僕、万年最下位で有名だし。
それに………
「もしも~し……聞いてる?」
「あ、ごめん、」
……この人なら、何を知っててもおかしくないし。
「ちゃんと聞いてるよ…………、風向花音【かざむき・かのん】さん。」
「あ、私の名前、知ってるんだ?」
女生徒……花音さんは少し嬉しそうに言う。
「そりゃ、この学年トップの成績の人なんですからね。」
…そう。
今、目の前にいるのは、まぎれも無くこの学園のトップ。
首席。
ボス。
……いや、ボスって感じじゃあないか……
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